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東京高等裁判所 昭和34年(行ナ)20号 判決 1960年2月23日

原告 松下電器産業株式会社

被告 肥田寅二三

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一請求の趣旨及び原因

原告訴訟代理人は、特許庁が昭和二十七年抗告審判第四二五号事件について昭和三十四年四月三日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする、との判決を求め、請求の原因として次のとおり主張した。

一、被告は、登録第三六九、九三三号商標の商標権者であるが、原告は、昭和二十四年四月七日、被告を相手取つて、特許庁に対し、被告の右登録商標は、原告の権利に属する登録第三一八、四六〇号ほか数件の登録商標に類似し、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるので、商標法第二条第一項第九号又は第一一号に該当し、無効とされるべきものである、との理由に基いて、商標登録無効審判を請求し、昭和二十四年審判第二一号として同庁に係属したが、昭和二十七年二月二十八日に、「請求人の申立は成立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決があり、原告は右審決に不服であつたので、同年五月六日に抗告審判の請求をしたが、同年抗告審判第四二五号として審理の結果、昭和三十四年四月三日に至つて、「本件抗告審判の請求は成り立たない。抗告審判費用は抗告審判請求人の負担とする。」との審決があり、原告は同年四月二十一日に右審決書謄本の送達を受けた。

本件被告の登録商標並びに原告の権利である登録第三一八、四六〇号、第三一八、四六一号、第三六三、七一六号、第三六三、五二七号の各商標はそれぞれ別紙に表示するとおりの構成を有する。すなわち、

1、被告の登録第三六九、九三三号商標(以下被告商標という。)は、円の中辺両側部の一端を切り離し中抜とした(左側辺は稍大きく右側辺は稍小さく切り離す)円形の内周上部稍右辺と下部稍左辺のところに電光形の図柄を対立せしめ、中間中抜部分には「ヒダデン」の片仮名を左端文字より右端文字に対し漸次小さく両端が円の外方に稍突き出るように左横書してなるもので、第六九類電気器具を指定する商品として、昭和二十一年十月二十三日の出願に係り、同二十二年十月二十四日にその登録がなされたものであり、

2、原告の登録第三一八、四六〇号商標(以下原告A商標という。)は、円の中辺両側部の一端を切り離した中抜円形の内周上部稍右辺と下部稍左辺のところに電光形の図柄を対立させ、中間中抜部分に「ナシヨナル」の片仮名を左右両端が円より稍突き出るように左横書したもので、第六九類の「有線無線電信電話機、テレビジヨン機、電気計器、電気医療器、電池電熱器、電燈用捻込接続器、電燈用挿込接続器、電球承口、電燈用撥動点滅器、電燃用紐線点滅器及其の他の電燈器具、電鈴、電気絶線材料」を指定商品として、昭和十四年七月七日に登録され、現在に至るまで原告製造販売のラジオ(現在全国占有率二〇%)、テレビ(同二〇%)、乾電池(同三六%)、アイロン(同五四%)、洗濯機(同二六%)、電球(同一八%)、螢光燈(同二九%)、掃除機(同四四%)、その他数千種類の電気器具に使用し、一般大衆に広く親しまれ、きわめて著名な商標となつているもの、

3、原告の登録第三一八、四六一号商標(以下原告B商標という。)は、前記原告A商標の文字部分「ナシヨナル」の代りに中間中抜部分にローマ字のNationalを記したもの、

4、さらに原告の登録第三六三、七一六号商標(以下原告のC商標という。)は、原告がA商標及びB商標を多種類かつ大量の原告製品に使用し、宣伝に努めた結果、これらの商標はもとより、これらの商標中の図形も強く一般消費者に印象づけられ、広く親しまれるに至つたので、この図形のみを商標として、昭和十六年二月二十四日に出願し、昭和十九年十一月十八日に登録されたもの、

5、そして、この原告C商標は原告が商標権を有する多数の登録商標の根幹をなすもので、原告は右図形の円の中間中抜部に種々の言葉を記した結合商標を登録しているが、登録第三六三、五二七号(以下原告D商標という。)もその一つで、片仮名で「マツシタ」の四字を挿入したものである。

本件各登録商標の構成はそれぞれ以上に説明した通りのものであるところ、本件審決の理由の要旨とするところは、本件被告商標及び前記原告の各商標はいずれもほとんど同一の図形を有するが、これらの図形中に表示されてある文字(登録第三六三、七一六号商標を除く。)は簡単に判読し得る平易なる片仮名名或いはローマ文字であつて、図形部分は一種の附飾的存在に過ぎないので、両者の外観は全体として判然と区別し得られ、かつこれらの文字がきわめて平易に判読しうる差異を有する片仮名或いはローマ字であることが明らかである以上、称呼及び観念においても両者は相違するし、本件商標は原告の登録第三六三、七一六号をそのまま用いたものであるが、この図形に「ヒダデン」の文字を一体として結合させたものであり、「ヒダデン」の文字は顕著で、かつ容易に判読し得られる簡単な片仮名であることが明らかであるから、両者は非類似の商標で、本件商標は商標法第二条第一項第九号及び第一一号の各規定に違反して登録がなされたものとは認めがたく、同法第一六条第一項第一号によりその登録はこれを無効とせらるべき限りでないものと認める、というに帰する。

二、右審決は、次の理由により違法であり、取り消さるべきである。

(一)  審決は被告商標と原告商標との類否を判断するに当つて、実際取引の事情を無視し、類否の判断を誤つている。

一般に消費者が商品に使用された商標を見た場合、まず心に訴えるものは図形部分であり、これに東南アジアやアフリカの未関発地方では商標中の図形部分で需要者と取引されるのであつて、文字部分は大して機能を発揮しないことが多い。これはその社会の一般教育程度の低さによるが、国内においても子供については全く同様のことが云えると同時に、通常の大人においても潜在的には商標の図形部分が強く印象づけられるものであることは、容易に推測されるわけで、特にビジネスマーク的に使用する商標においては、図形部分が取引上重要な意義を有することを看過することができない。

したがつて、被告商標が原告A商標と図形部分を同じくし、図形と片仮名文字との結合状態が(たとえヒダデン文字が三角形状に表示されているとは云え)きわめて類似しているので、これを見た一般消費者が広く親しまれている著名商標である原告A商標を連想することは、当然である。

(二)  かように、商標が容易に他の商標を連想させることは、商標そのものが商品の誤認を生ぜさせるおそれがあるものであること、言をまたない。ことに、電気商品には、小型の商品或いは部品が多く、それらに表示される商標は非常に小さい。その一字一字の文字に至つては相当注意しなければ判然としない。かような状態では消費者の受ける第一印象は図形部分或いは構成態様に基くもので、商品の選択に当つて消費者は文字部分にまではさほど注意を向けないで、図形を一瞥したまゝに買い取るのが普通である。被告商標は図形部分がほとんど原告A商標と同じであり、図形と文字との結合から来る全体の構成態様もほとんど類似するから、消費者が著名商標として印象づけられている原告A商標を連想することは当然で、すなわち隔離的観察をする場合において、普通一般の消費者には被告商標がきわめて原告A商標にまぎらわしいことは、動かしがたい事実である。

(三)  また、審決においては、被告商標及び原告A商標における図形と文字との結合について、「前者に於ては、丶丶丶丶その組み合せは一体をなす構成に係る自然結合によるものであると謂うを経験則に照し至当とするところであるのに対し後者は商品につき普通に使用される方法で文字が表示されているものであることが一見して明らかであると謂わなければならない。」とし、「前者の図形と文字の組合せは一体とした特殊な態様であると謂わなければならないこと上述する通りである以上両商標の外観には全体として判然と区別し得る差異のあるものと謂わざるを得ないところであり、」と論じているが、何故に被告商標と原告の諸商標とを区別し、被告商標のみにおいて文字と図形とが自然的に結合しているとし、また文字と図形との組み合せを一体とした特殊な態様であると認めなくてはならないのか。原告は、両商標における図形と文字との結合態様にはさしたる差異はなく、同一の考え方に基くほとんど同一の結合態様であることは、何人も認めるところであると確信する。

また、審判において、本件各商標の図形部分をもつて単なる附飾的存在とし、文字部分は平易な片仮名であつて、被告商標の文字は三角形に表示されているので、両者が判然と区別しうる、としたのは、徒らに商標の文字部分を重視し、全体的観察をおろそかにするものであり、かつ両商標を対比的に観察するに急であつて、取引の実際を無視し、隔離的観察の場合を考慮の外におくもので、判断を誤つている。

(四)  被告商標は図形商標である原告C商標をほとんどそのまゝその構成要素に盗用しているのであつて、商標制度上断じて認めることができない。審決は被告商標と原告C商標との類否の判断を誤り、原告C商標が登録商標であることを軽視するも甚だしいものである。

審決は、被告商標における「中辺両側部の一端を切り離した(右部は稍大きく左部は稍小さく切り離す)円内の上部稍右辺と下部稍左辺のところの電光型風の図形は一種の附飾的存在としか世人をして認識せしめるところに外ならないとする見方の方が経験則上妥当と認められるところである」と断定しているが、原告C商標は登録された商標である。しかし、それは、出願当初原告は原告A及びB商標と連合する商標として出願したが、特許庁はこれを単独の商標に訂正するよう指令し、原告はこれに不服であつたものの、たとえ単独の登録商標であつても、登録されゝば何人もこの図形を使用することができないものと確信して指令に従つたのである。かゝる事実は、原告C商標が単独であつても特別顕著な商標であることを示すものであつて、特別顕著な図形であるが故に登録された商標が、いかに他の言葉と結合されたからと言つて、単なる附飾的存在になることはあり得ない。

電光形図形は原告製品を連想させ、これを使用する商標は一般の消費者に商品の出所について誤認混同を生ぜしめるおそれがきわめて大である。

(五)  審決は、不正競争を排除し、正常な取引を促進しようとする商標法本来の精神に反し、商標類否の判断を誤るものである。

原告が原告A商標を永年にわたり各種電気商品に使用し、絶えまない技術の研究改良と商標の宣伝とによつて原告A商標がきわめて著名なものになつていることは前に主張したとおりであり、また、原告C商標の図形は著名商標たる原告A商標の顕著な特徴のある図形として一般に親しまれている。原告が原告A商標のみならず、原告BD商標等の原告C商標を基本として中間中抜部に各種の言葉を挿入した商標を使用していることと相まつて、かかる原告C商標と中間中抜部に何らかの言葉を結合させた商標を附した商品は、一般消費者においてこれを原告の関連会社の商品であるかのように考えるのは、経験則上きわめて普通のことである。

原告がかち得た絶大な信用を利用せんとするものにとつて、原告C商標の図形がきわめて魅力的であることは容易に推測し得る。けだし、この図形を盗用することによつて、容易に消費者の錯誤を利用し得られ、労少なくして取引上の優位に立てるからである。したがつて、この図形を自己の商標の一部に取り入れる商標選定者は、潜在的にせよ、意識的にせよ、この消費者の錯誤を利用しようとする意図が存在すること、明らかであると考うべきである。

商標を登録して保護せんとする目的は、不正競争を排除して公正な取引を促進するにある。しかるに不正競争の意図が歴然としている商標の登録を何故にそのまゝにしておかなければならないだろうか。被告商標は一般消費者をして著名商標である原告A商標を直観的に連想させるか、少くともこれとなんらかの密接な関係があるかのように想像させるものであるから、これを電気商品に使用した場合は原告の取扱にかゝるものと誤信させるおそれがきわめて大きい。このような被告商標は登録されるべきではない。

三、これを要するに、被告商標は原告A商標に類似し、商品の出所につき誤認混同を生じさせるおそれのきわめて大きい商標であるから、商標法第二条第一項第九号又は第一一号の規定に違反して登録されたものであつて、同法第一六条第一項第一号の規定によりその登録は無効とせらるべく、これに反する本件審決は、商標類否の判断を誤つたものであり、取り消さるべきものである。

第二答弁

被告は、主文通りの判決を求め、次のとおり答弁した。

一、原告主張事実中、被告が原告主張の登録商標の商標権者であるところ、原告からその主張のごとき商標登録無効審判の請求があり、その審決に対し原告から更に抗告審判の請求に及んだが、昭和三十四年四月三日に、「本件抗告審判の請求は成り立たない。抗告審判費用は抗告審判請求人の負担とする。」との審決があつて、原告主張の日にその審決書謄本が原告に送達されるに至つたまでの事実、並びに被告の右登録商標及び原告主張のその各登録商標の各構成はいずれも別紙に示すとおりであり、前記抗告審判の審決の理由の要旨が原告主張のとおりであることは、認めるが、右審決が商標類否の判断を誤つているとして原告が主張する諸点については、これを争う。

二、被告は、本件抗告審判の審決の理由は、すべて正当であり、これが取消の理由となるべき何らの違法の点はないものと考える。

第三証拠<省略>

理由

一、被告は登録第三六九、九三三号商標の商標権者であるところ、原告からその主張のごとき商標登録無効審判の請求があり(昭和二十四年審判第二一号)、原告は昭和二十七年二月二十八日にされた「請求人の申立は成立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との右審判の審決に不服であつたので、同年五月六日に抗告審判の請求をしたが(同年抗告審判第四二五号)、昭和三十四年四月三日に至つて、「本件抗告審判の請求は成り立たない。抗告審判費用は抗告審判請求人の負担とする。」との審決があり、同月二十一日に右審決書の謄本が原告に送達されたこと、及び右審決の理由を要約すれば、原告主張の趣旨に帰着するということができ、また前記被告の登録商標及び原告が右商標登録無効請求の理由に引いた原告の権利に属する各登録商標の構成がいずれも別紙に示す通りであることについては、当事者間に争がなく、原告が右各登録商標の構成、指定商品並びにその出願及び登録の各日附について主張する諸点についても、被告の明らかに争わないところである。

二、さて、本件被告の登録商標に先き立つて登録されている原告の各登録商標のうち、登録第三一八、四六〇号の商標(原告のいわゆるA商標)は、円周の中辺両側部の一端を切り離し中抜とした円形の内周上部稍右辺と下部稍左辺のところに電光形の図柄を対立させた図形の中間中抜部分に「ナシヨナル」の片仮名文字を左右両端が円より稍突き出るように左横書して成るものであり、また、登録第三一八、四六一号商標(原告のいわゆるB商標)はこれと同じ図形の中間中抜部分にNationalのローマ字をこれも左右両端が稍突き出るように記入して成るもの、登録第三六三、七一六号商標(原告のいわゆるC商標)は前記各商標の図形の部分のみを、その線をやゝ太めに表わして成るもの、登録第三六三、五二七号商標(原告のいわゆるD商標)は右C商標の図形の中間中抜部分に「マツシタ」の片仮名文字を、左右両端が稍突き出るように左横書して成るものである、のに対し、被告の本件登録商標は原告の前記各商標の図形とほとんど同一の図形(たゞし円周の両側部の切り離された部分は、左側辺は稍大きく、右側辺は稍小さく切り離され、線は全部稍太めである。)の中間中抜部分に「ヒダデン」の片仮名文字を左端文字より右端文字に対し漸次小さく、両端が円の外方に稍突き出るように左横書して成るものであるから、被告商標は原告A、B及びD商標と図形部分はほとんどこれを共通にし、またC商標の構成をほとんどそのまゝ図形部分に使用したものということもできよう。しかし、被告の本件登録商標を全体として観察するときは、別紙表示の該商標を見て明らかなように、その中央に平易な片仮名文字でかつ明瞭に記載され、しかもその各文字は一体として左端より右端に向つて漸次小さく、上辺はほゞ水平であるが下辺はやゝ上向きの長三角形を形成し、その文字群自体電光を印象づけるように表わされた「ヒダデン」の文字が顕著な部分であつて、右文字部分を中間中抜部分に挿入した、かつ円周の上方やゝ右側と下方やゝ左側に対立する電光形の図柄を有する円形図形は、前記文字部分に比較するときは、むしろこれの附飾としての印象しか与えないものというべく、したがつて被告の登録商標は原告主張の各先登録の商標のいずれとも、全体として類似の域を脱するものと認めるのが相当である。

真正の成立を認め得べき甲第六号証(原告会社の自昭和三三年一月二一日至昭和三四年五月二〇日営業報告書)第七号証の一ないし六(通商産業大臣官房調査統計部昭和三十四年五月分機械統計月報)、第八ないし第一一号証の各一、二(各商標原簿謄本及び商標公報)、第一二号証の一ないし五(日本商標大辞典)によれば、原告は本邦における屈指の電気商品の製作者であつて、前記各登録商標のほかにこれらと同一の図形の中に種々の文字を挿入記載した各種の商標を登録しており、なかんづく、前記A商標及びその中の片仮名文字を欧文におきかえて主とし 輸出商品に使用されるB商標は原告会社の商標としてひろく知られていることを認め得られるが本件被告の登録商標の構成が前に認定したとおりであり、その全体的観察において看者の印象を強くひくものは「ヒダデン」の文字部分であつて、図形部分は単に該文字部分に対して附飾としての印象を与うるにすぎないものである以上、たまたま該附飾部分が原告の有名商標の構成部分と一至するところがあつたとしても、これをもつて被告商標を原告の有名商標と類似するものとし、或いは被告商標は原告の有名商標を連想させ、ひいて商品出所の誤認、または混同を生ぜしめるものと言うことはできない。さらに又、被告の商標が、すでに登録された、そして図形のみより成る原告のC商標と同一の図形を構成部分として採用しているとしても、その図形が被告商標の全体において占める意義が小さく、他の構成部分の附飾としてしか看者の印象をひかないことは、前に認定した通りであるから一体の商標として両者は類似の域を脱するものと言わなくてはならない。(ちなみに、商標制度においては、特許、実用新案、意匠の三法におけるがごとき、いわゆる権利使用の観念がないので、他人の商標をそのまゝ自己の商標の構成部分に取り入れても、一体の商標として類似のものと認められないかぎり、その商標を使用するにつき妨げのないものというべきである。)

これを要するに、本件被告の登録商標は原告主張の原告の各登録商標との間に、商標法第二条第一項第九号或いは第一一号の関係があるものと認めることはできず、原告はこれに反し、原告の前記有名商標は図形の部分において顕著であり、しかも該図形のみにより成る商標すら登録されているところであるから、いやしくも該図形を商標の構成部分に使用する限りは、原告の各登録商標と類似し、本件審決は不正競争を排除し、正常な取引を促進しようとする商標法の本来の精神に反する、と主張するが、それは商標の全体的観察を不当に軽視するものであつて、左袒することができない。

三、本件審決の認定は相当であつて、これが取消を求める原告の本訴請求は理由がない。よつて、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟特例法第一条、民事訴訟法第八十九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 内田護文 鈴木禎次郎 入山実)

被告の登録第369933号商標<省略>

登録第363716号<省略>

登録第318460号<省略>

登録第363527号<省略>

登録第318461号<省略>

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